相続手続時の戸籍収集が簡単に
- 秀太郎 南
- 6月4日
- 読了時間: 2分
令和6年3月1日施行の戸籍法改正により、戸籍収集が簡単になりました。
ご相続があった時に、法務局(登記所)でも、銀行でも、証券会社でも、最初に要求されるのは戸籍謄本です。戸籍謄本で、その財産を持っている方がお亡くなりなったことと、手続に来た人が相続人であることを確認します。
以前は、この戸籍収集が大変でした。本籍地の役所から取り寄せる必要があったため、まずは本籍地を確認し(住民票などで本籍地付きのものを取ればわかります)、その役所に戸籍の請求書・郵便小為替・返信用封筒などを送る・・・しかも、一か所の役所では集めきれないことが多かったのです。
しかし、新法では、最寄りの役所の窓口で、ほぼすべての戸籍を出してくれることになりました。
相続手続の際は、窓口備え付けの用紙に記入の上、「この人(被相続人)の相続手続に使用するため、出生から死亡までの戸籍を下さい」などとお伝えいただければ、役所の方が調べて発行してくれます。以前に比べて、手間も費用(郵便小為替発行費用や郵送料など)もかからず、とても便利になりました。
ただ、いくつかの注意点や例外があります。
一つは、その窓口での待ち時間が長くなってしまうということです。係の方も、一つ一つの戸籍の内容を確認し、古いものへ遡って、(カウンター越しに見ている限りでは)管轄の役所に確認の上、発行していただいているようです。後述の理由で、当事務所ではお客様ご自身に本制度での戸籍集めをお願いすることが多いのですが、役所によってはかなりの長時間待たされることもあるようです。都内のお客様は、「即日発行はできないので、翌日に再度取りに来てください」と言われたそうです。朝一番で役所に出向いていただき、「夕方か翌日取りに来ます」とお伝えいただくと、スムーズかもしれません。
もう一つは、司法書士などが職権で取得するときは、この制度は利用できないということです。当事務所でも、お客様のご要望により、戸籍収集を行うことがありますが、その際は昔ながらの郵便による方法によりますので、やはり時間も費用もかかってしまいます。
とはいえ、この制度により、以前に比べて手続はかなり早く進むようになりました。体感ではありますが、この制度をご利用いただいた場合といただかない場合では、最初のご相談~登記完了までの期間が、1か月くらいは短くなったように思います。
もし相続手続を放置してしまっている方で、戸籍収集の面倒さのせいでギブアップされてしまった方は、この制度を利用して再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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