司法書士から届いた書類。これ何?
- 秀太郎 南
- 9月11日
- 読了時間: 3分
不動産の売却や、抵当権の設定などで、いわゆる権利証をお預かりすることがあります。
予め、「このような書類をご用意ください」とお願いをしてから伺いますが、どれが権利証かわからない、ということがよくあります。不動産を買ったり相続した時に、法務局からは様々な書類が発行されます。司法書士にご依頼されていれば、山のような書類が封筒に入って届いていることでしょう。
ここでは、ごく簡単に、登記に関係する書類について解説をします。あまり精密な解説ではありませんので、詳しく知りたい方は法務局のHPなどをご覧ください。
権利証・・・不動産を買ったり相続したり、とにかく不動産に関する「権利」を手に入れ
た際に発行される書類です。管轄法務局によりますが、平成18年頃までに
作られたものは、法務局の赤いハンコ(受付年月日、受付番号などが入って
います)の押された書類(冊子状、和紙で作られていることが多い)です。
登記識別情報通知・・・これもいわゆる「権利証」です。だいたい平成18年以降、旧来
の権利証にかわり、数字・アルファベットで構成されたパスワードが記され
た紙になりました。平成27年2月ころまでは、シールでパスワードを隠す
タイプで、それ以降は袋とじでパスワードを隠すタイプになりました。
登記完了証・・・法務局が登記を受け付けて、手続が完了したことをお知らせする書類で
す。権利証ではありません。不動産の売買であれば、売主買主に1枚ずつ、
相続であれば一つの申請につき1枚だけ発行されます(相続人が複数であっ
ても1枚です)。
土地家屋調査士の先生からの登記完了証・・・建物を新築したりすると、最初に土地家屋
調査士の先生が表題登記を行います。これは、「どこにどのような建物が建
っている」ということを法務局に記録するための登記です。この時にも、登
記完了証が発行されます。権利証ではありません。
土地家屋調査士の先生が、厚紙のしっかりした表紙をつけてお客様にお渡し
いただくことが多いので、一見権利証のように見えますが・・・
登記事項証明書・・・いわゆる登記簿謄本と呼ばれるものです。法務局で有料で取得でき
るもので、その不動産がどこのどういうもので、誰がどのような権利を持っ
ているかを記録したものです。法務局に行けば誰でも取得できます。権利証
ではありません。
ただ、税金の申告時に添付するなど、お客様がご自身で取りに行く可能性が
高い書類ではあります。郵送サービスもあります。
登記情報提供サービスで取得した情報を印刷したもの・・・上記の登記事項証明書(登記
簿謄本)と同内容の情報を、インターネット上で見ることのできるサービス
があります(有料)。これを印刷すると、登記事項証明書とほぼ同一の内容
の書類となりますが、当然ながら権利証ではありません。登記事項証明書の
ような登記官の認証(お墨付き)がありませんので、公的証明書とはなりま
せんが、100日有効な「照会番号」を記載することができますので、これ
で登記事項証明書の代用にできるケースがあります。
不動産を売却する時、担保設定をする時など、「権利証を用意してください」と言われた時の参考になれば幸いです。できればスマートフォンの写真やFAXなどで、予め確認していただいた方が良いでしょう。ただし、登記識別情報の「パスワード」の写真やFAXを送ってはいけません。それは実際に書類を預ける日(決済日や司法書士の訪問時)に渡してください。
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